債務整理

弁護士に嘘をついて債務整理するとどうなるの?

弁護士に嘘をついて債務整理するとどうなるの?

弁護士が債務整理のご相談をお受けするときには、相談者の方から借入状況や借金の原因、資産内容、現在の生活状況など様々なお話をうかがいます。中には、あまり人に知られたくない事柄や言いたくない事情などがあるかもしれません。

ですが、たとえ言いにくい事情であっても、弁護士からの質問には本当のことをお話しいただく必要があります。

では、もし、嘘をついたり、真実を隠したりして弁護士に債務整理を依頼するとどうなるのでしょうか。

今回は、債務整理をする際に弁護士に嘘をついた場合のリスクについて解説します。

1.債務整理の種類

債務整理の方法としては、「任意整理」、「自己破産」、「個人再生」の3つの方法があります。まずは簡単にそれぞれの方法について説明します。

なお、「過払い金返還請求」も含めると4つとなります。
過払い金があっても全体として債務が残る場合は、残った債務について「任意整理」、「自己破産」、「個人再生」のいずれかの手続をすることが多いです。従ってここでは省略します。

(1) 任意整理

任意整理は、債権者と交渉をして、支払方法を変更したり(毎月の支払金額を少なくして分割弁済するなど)、支払金額を減額してもらったりして(これまでに過払いがある場合には利息の引き直し計算により借金の減額ができます。)、借金を返済していく債務整理の方法です。

自己破産や個人再生と異なり、裁判所に申し立てることはなく、債権者との任意の交渉により進めていく手続であるというところが大きな特徴です。

(2) 自己破産

自己破産は、自分の収入や資産で債務を返済できる見込みがない場合に、裁判所に対して破産及び免責の申立てをすることで、原則として申立時にある全ての債務を免除してもらうという債務整理の方法です(税金など免除されない債務もあります。)。

手元に残せる一定の資産を除いて原則として資産は全て換価・処分されてしまう、免責不許可事由が定められており、免責が不許可となる場合があります。官報に名前や住所が掲載されてしまうなど、デメリットもあります。

しかし、無事に免責許可決定が確定すれば、借金はゼロになるという大きなメリットのある手続です。

(3) 個人再生

個人再生は、裁判所に対して個人再生の申立てをすることにより、債務を減額してもらって、減額してもらった後の債務を3年から5年かけて分割で弁済していくという債務整理の方法です。

個人再生には「住宅ローン特則」という制度があり、これを利用すると住宅ローンの支払は残したまま、その他の借金を減額することができるので、住宅ローンが残っている自宅を手放さずに債務整理をしたいという方におすすめの方法です。

このように債務整理の方法はいくつかありますが、 弁護士は、借入状況や借金の原因、資産内容、現在の生活状況など様々なお話をうかがったうえで、相談者様にとって最適な債務整理の方法が何かを検討することになります。

ですから、もし、弁護士からの質問に対して嘘をつかれたり、真実を話していただけなかったりする場合には、最適な債務整理の方法をアドバイス差し上げることが難しくなってしまいます。

つまり、最初の方向性からして間違ってしまうということにもなりかねません。

2.よくある嘘(虚偽)の種類

では、債務整理における弁護士に対する嘘として、実際にどのようなものがあるのでしょうか。

以下では、よくある嘘についてお話ししたいと思います。

(1) 債権者

よくある嘘として債権者に関するものがあります。

債権者に関するものとして多いのは、親戚や友人、勤務先といった親しい人やお世話になっている人などからの借入れについて、「迷惑をかけたくない」とか「債務整理をすることを知られたくない」といった理由で、弁護士に申告しないケースです。

ですが、自己破産や個人再生の場合は、全ての債権者を裁判所に申告して手続を行わなければなりません。

一部の債権者を申告しないと、その債権者が手続から外れてしまい、自己破産で免責の対象にならなかったり、個人再生で支払額が増えてしまったりするだけでなく、自己破産で免責不許可となったり、個人再生で再生計画が不認可や取消しになってしまう可能性があります。

また、債権者として申告することを避けるため、特定の債権者にだけ返済してしまうというケースもありますが、これも問題です。このような返済は、偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれます。

自己破産や個人再生の手続では、債権者は平等に扱わなければならないとされています。

偏頗弁済をしてしまうと、自己破産においては、破産管財人の否認権行使の対象となり、返済が取り消される可能性があり、免責不許可となってしまうリスクもあります。

また、個人再生においても、再生計画での支払額が増えてしまう可能性があります。

(2) 資産

資産に関する嘘も少なくありません。

自己破産や個人再生の場合は、申立ての際に裁判所に債務者の資産を申告する必要があります。そして、自己破産の場合は、一定の資産を除いて原則として全ての資産を換価・処分することになります。

また、個人再生の場合は、資産の清算価値を算出して再生計画での支払額を計算することになります。

ですが、なるべく多くの資産を手元に残したいとの思いから、資産を実際より少なく申告したり、そもそも資産の存在を隠して申告しなかったりというケースがあります。

申立ての際の資産目録に虚偽の記載をするという典型的な方法だけでなく、資産を他人名義に変更したり、偽装離婚をしたりして(元)配偶者に財産分与をするといった方法も、資産隠しにあたります。

こうした資産隠しをすると、自己破産で免責不許可となったり、個人再生で再生計画が不認可や取消しになってしまったりします。

悪質な場合には、詐欺破産罪(破産法265条1項1号)として10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、またはその両方に処せられる可能性もあります。

(3) 借入理由

自己破産の場合は、借入理由も免責の判断に影響してくるため、免責不許可になることを恐れて、本当の借入理由を隠すケースもあります。

たとえば、ギャンブルや浪費によって借金が増えたのに、そのことを隠して言わなかったり、生活費として借りたなどと申告したりするなどです。

ですが、通帳の動きや家計簿などからもギャンブルや浪費の存在わかりますし、嘘をつけばどこかで不自然が生じます。そして、隠していたり嘘をついたりしたことが後で明らかになれば、それこそ免責不許可になってしまいます。

多少のギャンブルや浪費があっても、正直に申告すれば裁量免責で免責となる場合がほとんどです。

下手に隠してそれがバレてしまった場合のリスクの方がはるかに大きいと言えます。

3.弁護士に嘘をついた場合のリスク

上でご説明したように、債務整理における弁護士に対する嘘としては、債権者や資産、借入理由などに関するものが多いのです。

そのような嘘をついて裁判所に自己破産や個人再生の申立てをすると、免責不許可や再生計画の不認可・取消しになってしまい、申立てをした目的が果たせなくなってしまいます。

ついた嘘の内容によっては、それだけでは済まず、刑事上の責任を問われるリスクもあります。

最初に正直に話してもらえれば、弁護士から対応方法や別の債務整理の方法などをアドバイス差し上げることができる場合もあります。

しかし、申立て後に嘘がばれてしまったという場合、フォローが難しいケースも少なくありません。たとえ、言いにくい事情であっても、ご相談の際には弁護士に本当のことをお話しください。

4.弁護士には嘘をつかず正直に話して下さい

今回は、債務整理をする際に弁護士に嘘をついた場合のリスクについて解説しました。

嘘をついて債務整理をすることのリスクの大きさはお分かりいただけたと思います。
弁護士に隠しごとをして債務整理の手続を進めるよりも、正直にお話しいただいたうえで、どうしていくのが一番良いのかを一緒に考えましょう。

泉総合法律事務所では、債務整理の経験が豊富な弁護士が多数在籍しております。借金問題でお悩みがありましたら、まずは一度当事務所にご相談ください。

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