交通事故

交通事故示談交渉で不利にならないために|事故後の通院と正しい治療

交通事故示談交渉で不利にならないために|事故後の通院と正しい治療

泉総合法律事務所のある川崎市では、平均して毎日100件ほどの人身事故が発生しています。

泉総合法律事務所にも交通事故のご相談がたくさん持ち込まれます。そして、実際に交通事故の被害者の方から相談を受けていると「事故直後に病院で診察を受けてないケース」にしばしば出会います。

たしかに、被害者の方にとってみれば、目立った外傷や痛み・しびれがないときには、病院で診察を受けることよりも、自分の予定を優先したくなることが多いでしょう。

しかし、交通事故によるケガの症状は、事故直後は何も感じていなくても数日経ってから重篤な症状が発生する場合も珍しくありません。自分の身体を守るためにも、交通事故で衝撃を感じたときには、すぐに医師の診察をうけるべきです。

また、交通事故後に適切な治療を受けていないときには、その後の示談交渉でも不利な扱いを受ける可能性が高くなってしまうので、注意が必要です。

今回は、交通事故に遭ったらすぐに病院へ行くべき理由と、その病院での正しい治療の受け方について解説します。

1.交通事故でケガをしたのに病院へ行かないとどうなるか

軽微な交通事故の場合には、身体に衝撃を感じていても、外傷もなく事故直後には痛みも感じなかったことから、病院にいかずに済ませてしまう人もいるようです。

また、警察へも人身事故として届け出ずに物損事故として処理してしまうこともあるようです。

しかし、むち打ち症のように、交通事故によるケガの症状は、事故から数日経ってから現れることも珍しくありません。

事故後にきちんと病院に行かなかったときには、事後にケガの症状が現れても示談交渉で不利になってしまうことがあります。

(1) 損害賠償を支払ってもらえない可能性

交通事故で身体に衝撃を受けた(ケガをした)にもかかわらず、病院にいかなかったときには、ケガをしていても損害賠償を支払ってもらえない可能性があります。

「交通事故によってケガをしたこと」は、医師が作成した「診断書」によって明らかにする必要があります。

損害賠償額の算出は、専門家による客観的な判断を基準にすることが最も公平だからです。

医師の診断書もなく「ケガをしたこと」を客観的に明らかにできないときには、相手方の保険会社からケガによる損害賠償の支払いを拒絶される場合があります。

また、病院に行く(診察を受ける)時期に問題があるときにも、損害賠償の支払いを拒絶される場合や、減額を余儀なくされる可能性があります。

被害者の落ち度によって、「適切な時期に診察(治療)を受けなかったとき」には、発生した症状が「交通事故によるもの」なのか、「治療が遅れたことによるもの」なのかがハッキリしない場合があるからです。

たとえば、「交通事故の直後に適切な治療を受けていれば身体にしびれが残ることはなかった」にもかかわらず、「被害者が交通事故の直後に医師の診察を受けなかった」ために、後遺症としてしびれが残った場合には、交通事故は後遺症の発生原因とは言い切れないわけです。

交通事故の示談交渉によって支払われる損害賠償は、あくまでも「交通事故によって生じた被害」に限定され、交通事故以外の要因で生じた(拡大・悪化した)損害(ケガ)は損害賠償の対象とはなりません(専門的には、「交通事故との因果関係が否定される」という表現をします)。

(2) 身体に衝撃を感じたら「物損事故」として処理してはいけない

被害者が事故直後に病院にいかなかったケースでは、警察への交通事故の届け出も「人身事故」ではなく「物損事故」となっている場合が少なくありません。

人身事故として処理をすれば、交通事故の処理にかなり時間がかかることが多く、「目立った外傷や自覚症状もないから大丈夫だろう」、「この後の予定に早く行きたい」という気持ちから、安易に物損事故としてしまうことがあるようです。

しかし、本当はケガをしているにもかかわらず物損事故として処理したときには、相手方の保険会社からケガの分の損害賠償の支払いを拒否される可能性があります。

物損事故として処理した後に、むち打ち症などの症状が現れたときには、すぐに医師の診察を受け、警察に診断書を提出して人身事故への切り替えを申し出てください。

また、物損事故の場合には、交通事故の過失割合の判断でも不利となる可能性があります。

人身事故として届け出られたときには、警察が交通事故の詳細を調査した結果をまとめた「実況見分調書」が作成されます。しかし、物損事故として処理されるときには、実況見分調書は作成されません。

そのため、交通事故の状況(当事者双方の過失割合)が問題となった場合には、記憶を頼りに相手方保険会社と交渉しなければならない可能性が高くなります。

特に、弁護士に示談交渉を依頼せずに示談するときには、百戦錬磨の保険会社の担当者にやりこめられて、実際の事故状況よりも不利な過失割合を認めされられてしまう可能性もあるでしょう。

被害者の過失割合が増えれば、その分受け取れる損害賠償額も減ってしまいます。

2.ケガの治療費をめぐって保険会社と争いが起きる場合

実際にケガの治療を受けている場合でも、治療費をめぐって示談交渉が難航することは珍しくありません。

ここでは、治療費をめぐって保険会社との争いになりやすい4つの場合について解説します。

(1) 整骨院・接骨院での施術

交通事故でケガをした際には、整骨院・接骨院での施術を利用する人も少なくありません。

症状によっては、病院での治療よりも、整骨院・接骨院での施術の方が、自覚症状をすぐに和らげる場合もあるからです。整骨院・接骨院での施術に要した費用も相手方の保険会社に請求することが可能です。

しかし、施術費用を損害賠償として請求するときには、医師の診断に基づいて施術を受けていることが必要です。

客観的に必要・相当とは認められない治療や施術費用まで加害者に負担させることは公平とはいえないからです(日本の損害賠償制度は、懲罰ではなく「損害の公平な分担」を目的としています)。

(2) 受け取れる慰謝料の額が少なくなる

交通事故の被害者にとっては、ケガの治療のために通院することも大きな負担です。

特にお勤めのある方の場合には、「会社を休んでまで治療するのは面倒」、「ちょっとしたケガのために会社を休めない」ということで、通院を疎かにしてしまうことも少なくないようです。

しかし、入通院日数が少ないときには、ケガしたことによって受け取れる慰謝料(入通院慰謝料とか傷害慰謝料とよばれます)の金額が少なくなってしまいます。

入通院慰謝料は、入通院の期間に応じて支払い額が増える仕組みになっているからです。

また、入通院の頻度が少ない(2日に1回以下の頻度)ときにも、入通院慰謝料は減額されてしまいます。必要以上に通院したからといって、入通院慰謝料が増額されるわけではありませんが、必要なのにもかかわらず入通院を疎かにすることは、万が一症状が悪化するリスクも考えれば、弁護士としてはお勧めできることではありません。

(3) 十分な治療を終える前に治療費打ち切りを通告される

相手方の保険会社は、被害者の治療経緯を随時確認しています。治療費の請求が診療期間から保険会社に直接なされる場合には、毎月送付される診断書・診療報酬明細書などで、治療の内容や症状の変化を確認しています。

治療日数や治療頻度が少ないときには、保険会社としては「症状(ケガ)が軽い」と判断します。そのため、被害者の落ち度(勝手な判断)で、必要十分な治療を受けていないときには、「治療が終わる前」の段階で、保険会社から「治療費支払いの打ち切り症状固定)」を通告されることがあります。

ケガを治すために十分な治療を受けるためには、必要な頻度できちんと通院することが大切です。

ところで、ケガによっては、被害者がきちんと通院しているにもかかわらず、十分な治療が終わる前に保険会社から「治療費打ち切り」を通告される場合もあります。

保険会社は、ケガの種類ごとに治療期間の相場を定めていて、それを超えると症状固定を求めてくることがあるためです。

しかし、実際にうけたケガは必ずしも相場通りの治療期間で完治するとはかぎりません。

また、症状固定(治療終了の時期)を判断するのは、あくまでも医師であり、相手方の保険会社ではありません。

保険会社から治療費支払いの打ち切りを通告されても、治療が必要と判断した際には、途中で治療をやめずに、医師から治療終了といわれるまで通院を続けることが大切です。

その際の治療費の負担が厳しいときには、自賠責保険への請求を先行して行うなどの対処法があります。

適切な治療費の支払いを拒否されるときには、その後の示談交渉難航する場合が少なくありません。保険会社から早期の症状固定を打診されてお困りの際には、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

(4) 後遺障害が認められない

必要な治療をきちんと受けなかったときには、後遺障害の認定でも不利となる可能性があります。

治療の時期が後れたことや、治療を疎かにしたことが後遺障害の原因となったときには、交通事故と慢性化した症状との因果関係が否定され、後遺障害慰謝料をもらえないことや慰謝料額が減額される場合があります。

後遺障害の認定は、専門の認定機関の書類審査によって行われます。後遺障害の認定おいては、治療期間の長さは重要な判断材料のひとつです。

認定を受けたい後遺障害について必要十分な治療(内容・期間)がないときには、「非該当(後遺障害なし)」という判断になることも珍しくありません。

3.示談交渉が難航したときは弁護士にご相談を

交通事故の示談交渉は、きちんと病院に通っていた場合でも難航することは珍しくありません。

保険会社は多くの事件を取り扱っているため、それぞれの案件を過去のケースの場合を参考に定式的に処理(相場処理)しようとしますが、実際に生じる症状(ケガ)は、過去のケースとは異なる場合も少なくないからです。

しかし、交通事故で被害を受けたときには、過去の相場とは無関係に、適正な補償を受けることが大切です。

保険会社との示談交渉が難航したときには、弁護士に相談することで、対等で適正な示談交渉を進めることができます。

特に、重傷事故やむち打ち症のような判断の難しいケガの場合には、専門知識を備えた弁護士の助力なしに、保険会社と示談交渉すると、不利な示談を押しつけられる可能性が高くなってしまいます。

しかし、適正な損害賠償を請求するためには、被害者がきちんとした対応をとっている必要があります。交通事故直後の初期対応は、弁護士がその場で力になることのできない数少ない領域です。万が一の事態になってからでは手遅れをなることもあります。

交通事故で身体に衝撃を感じたときには、必ずすぐに病院で医師の診察を受けるようにしましょう。

また、交通事故の示談交渉が難航した場合には、泉総合法律事務所へご相談下さい。専門家である弁護士が正当な損害賠償の獲得のために尽力します。

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