交通事故の示談交渉を弁護士に無料相談したい!事前準備のポイント
交通事故の被害にあったとき、示談交渉を「プロ」である保険会社の担当者を相手にひとりで行うことは簡単なことではありません。
しかし、弁護士に相談・依頼すれば、「納得のいかない示談交渉」を回避することができます。
弁護士に相談すると「高額な相談料がかかる」と心配されるかもしれません。しかし、現在は初回の相談を無料としている弁護士事務所が増えてきています。
泉総合法律事務所でも、初回の相談が「1時間まで無料」です。
しかし、それでも弁護士への相談は「初めての経験」であり、「何から相談して良いかわからない」、「敷居が高い」と感じる方もいるかも知れません。
そこで、ここでは「弁護士との無料相談を効果的に利用する」ために事前の準備として重要なポイントについて説明します。
このコラムの目次
1.「伝えなければならないこと」をあらかじめ明確にしておく
交通事故についてお悩みの方、お困りの方のほとんどは、「弁護士に依頼すべきかどうかもわからない」という方がほとんどです。このような段階で「有料の相談」を利用することはやはり躊躇してしまいます。
「私の示談交渉は弁護士に依頼すべきかどうか」を判断するためには、無料相談を上手に活用されることがおすすめです。
しかし、無料相談のほとんどは「時間制限」があるため、相談すべき内容をあらかじめ整理しておかなければ、大事な部分に触れるまえに相談時間が終わってしまうことがあります。
(1)「相談の趣旨」をあらかじめ整理し、優先順位を付けておく
交通事故の相談の場合、あらかじめ相談のポイントを整理します。
- 「いま困っている(わからないこと・知りたいこと)ことは何か」
- 「どのような結果の示談交渉を希望しているか」
交通事故被害に遭ったときには、さまざまな悩み事・困りごとが生じます。
相手方の保険会社の対応に対する問題だけでなく、医療機関や、相手方本人に対して悩みや困りごとを抱える場合もあるでしょう。
また、示談交渉に対する困りごとでも、「損害賠償額」が問題なのか、「過失割合(事故状況の認識の違い)」が問題なのか、「後遺障害の問題」で困っているのか、ポイントを整理すれば、相談を効率よく進めることができます。
同時に複数の困りごとを抱えているときには、優先順位をご自身のなかで付けておくことも有効でしょう。
(2) 事故発生状況や示談交渉・治療の経緯について記憶を整理する
どのような問題でも、解決するためには「ストーリー」を正しく把握することが大切です。
弁護士は、「交通事故の専門家」ではありますが、「交通事故の当事者」ではありません。「交通事故の発生状況」や「それまでの示談交渉の経緯」には、当事者の方にしかわからない情報があります。
事故の状況、保険会社とのやりとりの内容などについて、記憶をきちんと整理しておくと良いでしょう。
示談交渉や治療の経緯については、「時系列表」のようなものをあらかじめご準備いただくと、記憶の整理にも、弁護士の理解にも役立つことが多いでしょう。
2.必要な資料を揃える
交通事故が発生したときには、さまざまな資料が作成されます。これらの資料をしっかり揃えていただければ、相談がスムーズに進み、そのままご依頼いただけた場合にも迅速に対応することが可能となります。
また、資料を揃えることで、ご自身の記憶が明確になることもあり、相談の趣旨をまとめるのに役立つことも少なくありません。
交通事故に関する資料としては、①交通事故の発生状況に関する資料、②治療経過・ケガの状況に関する資料、③収入に関する資料、④保険に関する資料などがあります。
(1) 交通事故の発生状況に関する資料
交通事故についての相談を適確に進めるためには、「交通事故の状況」を客観的に正しく把握する必要があります。
交通事故の状況を示す資料としては、次のものがあります。
- 交通事故証明書
- 実況見分調書
- 事故発生状況報告書
「交通事故証明書」は、交通事故が起きたときに警察に届け出をすれば必ず作成される書類です。
作成された交通事故証明書は、交通事故が発生した都道府県の「自動車安全運転センター」で交付を受けることができます。
交付の申請は、「ゆうちょ銀行」で手数料の払い込みと同時にできるほか、それぞれの都道府県にある自動車安全運転センターの窓口、自動車安全運転センターのウェブサイトから行えます。
交通事故が「人身事故」として処理されているときには、警察によって「実況見分調書」が作成されています。
実況見分調書には、交通事故発生状況についての詳細な情報が記載されているだけでなく、事故状況の図面や現場写真なども添付されているため、事故状況を正しく把握するために特に重要です。
実況見分調書は、人身事故に対する刑事事件手続きのために作成される証拠です。したがって、実況見分調書は、所轄する検察庁(刑事記録係など)に謄写の依頼をして取得します。
ただし、交通事故が捜査中であるときには原則として事件記録の謄写はできません。その際には、謄写可能な時期の見込みなどを問い合わせしておくと良いでしょう。
最後の「事故発生状況報告書」は、被害者自身が作成し、保険会社に提出する書類です。事故発生状況報告書は、交通事故の発生状況を当事者双方がどのように認識しているかを確認するために重要な資料です。
万が一の場合に備えて、保険会社に提出する前にコピーを取って保管しておくと良いでしょう。
(2) 治療経過・ケガの状況に関する資料
相手方との間で、賠償の対象となる治療費の額(治療の範囲)、ケガの症状、後遺障害の有無などについて争いがあるときには、治療経過・ケガの状況を正しく把握する必要があります。
治療経過などに関する資料としては、次のものがあります。
- 診断書
- 診療報酬明細書
- 後遺障害診断書・後遺障害等級認定票
医師の「診断書」は、人身事故の損害賠償請求において最も重要な資料です。
特に、相手方との間で、治療費、治療期間(症状固定の時期)、後遺障害の有無について争いがあるときには、できる限りご準備いただきたい資料です。
交通事故の相談の場面では、自覚症状があるにも関わらず医師の診断を受けていないケースが稀にあります。
医師の診断書がないと示談交渉で大きな不利となる可能性が高いです。交通事故で身体に衝撃を感じたときには、そのときに痛みやしびれといった自覚症状がなくても必ず医師の診察を受けて下さい。
また、適切な損害賠償額を算出するためには、ケガに対する治療の経緯(症状の変化、治療内容、入通院日数)を把握する必要があります。
これらの情報は、「診療報酬明細書」で確認することができます。診療報酬明細書は、医療機関から保険会社に毎月発行されているので、保険会社からコピーを取得します。
治療費の負担を保険会社ではなく自分でしているときには健康保険組合から、労災を適用しているときには、労働基準監督署から入手可能です。
後遺障害慰謝料や逸失利益の金額に争いがあるときには、医師によって作成された「後遺障害診断書」や自賠責保険会社から送付された「後遺障害等級認定票」があると、診断・等級認定の状況がわかるため便利です。
(3) その他の資料
その他にも、ご相談の内容に応じて、ご用意いただくと相談に有益な資料はたくさんあります。
たとえば、休業損害や逸失利益を請求するときには、被害者の収入状況を確認できる資料(給料明細・源泉徴収票・確定申告書など)があると具体的な金額を示しながら相談を進めることも可能です。
また、加入している自動車保険の状況によっては「弁護士費用特約」で弁護士費用をカバーできることもあります。
特約の付帯状況は保険証書で確認することができますが、わからないときには、保険証書をご持参いただければと思います。
しかし、資料が入手できないからといって相談できないというわけではありません。まずは弁護士に問い合わせてみることが大事です。
泉総合法律事務所では、相談に際して準備しなければならない資料についてご不明な点は、相談の申込みの際にお問い合わせいただければ、弁護士からご説明させていただくことも可能です。お気軽にご連絡ください。
3.弁護士は被害者の味方になってくれます!
弁護士に困りごとや悩み事を相談するのは、どうしても緊張してしまうものです。
「こんなこともわからないのは恥ずかしい」、「まずい対応をしたことを怒られるのでは」と不安に感じることもあるかもしれません。
しかし、そのような不安は一切不要です。「弁護士は相談者の味方」です。
相談者の対応を「間違っている」と叱りつけたり、「わからないこと」を叱責したりすることは絶対にありません。
また、相談の際には、「都合の悪いこと」も包み隠さずお話ください。適切なアドバイスをするためには、有利な情報も不利な情報も正しく把握した上で、客観的に判断することが大切だからです。
示談交渉の際にまずい対応をしてしまった場合でも、きちんとお伝えいただければ、「まずい対応をカバーできる方法」を一緒に考えることができます。
弁護士は、相談者の悩み事・困りごとを解決し、状況を少しでも好転させられるよう誠心誠意アドバイスさせていただきます。
4.交通事故の無料相談は泉総合法律事務所へ
交通事故に限らず、弁護士のところへ相談にこられる方は、さまざまな不安や困りごとを抱えています。実際に生じている困りごと、悩み事の多くは、「相談だけ」で解決しない場合も数多くあります。
その意味では、弁護士との無料相談は「わからないことを確認する」ためだけでなく、「安心して依頼できる弁護士探し」を兼ねています。
泉総合法律事務所では、無料相談の時間を1時間と設定することで、「じっくり相談して、きちんと納得・安心していただける相談」を心がけています。
「弁護士に相談する」というとどうしても身構えてしまいがちですが、安心して泉総合法律事務所にお越し下さい。
泉総合法律事務所の弁護士は、相談者の方にもわかりやすいように、できるだけ丁寧に説明・相談させていただくことを心がけています。
しかし、場合によっては、弁護士の説明がうまく伝わらなかった場合もあるでしょう。その際には、「無料相談だから」と遠慮せずに申しつけていただけたらと思います。
また、ご依頼いただいた際の費用に関する相談も、無料相談でお気軽におたずね下さい。
交通事故案件の経験の豊富な弁護士が、相談者の不安に寄り添って丁寧に対応させていただきます。
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